接遇の語源(歴史)とは、江戸時代の茶道も影響していた進化の過程
こんにちは、好印象&チアーアップアドバイザーの三浦真弥です。
「接遇」という言葉は、いつ頃から使われているのでしょうか?!
その起源は、明確にさかのぼれるのでしょうか?!
日本の伝統や、文化に深い関わりのある「接遇」に関して話したいと思います。
三浦 真弥
接遇の語源(歴史)とは
接遇の語源は辞書で調べると、
精選版 日本国語大辞典の解説
せつ‐ぐう【接遇】
〘名〙 もてなすこと。接待。応対。
※律(718)六議「議故。〈謂。故旧。謂。宿(もとより)得二侍見一。特蒙二接遇一歴久者〉」
※開化問答(1874‐75)〈小川為治〉二「人民に対し極て丁寧極て親切なる接遇(セツグウ)に及ぶべき筈の」 〔史記‐屈原伝〕
と出てくるので、相当昔から「接遇」という言葉は存在していたことが判ります。
江戸時代に進化した接遇文化
接遇は江戸時代にグッと進化したようです。
それは時代背景が判れば、必然的に進化することが判ります。
江戸時代、日本に多くの都市が生まれました。
都市には、人が集まり交流が生まれます。
当然、商売も盛んになるわけですね。
特に、江戸では接客業が盛んになったようです。
江戸の接客業とは、芝居小屋、小料理屋、蕎麦屋、遊郭など存在しています。
沢山の店が生まれ、競争原理も当然働いたわけです。
お客様にどれだけ満足していただき、贔屓にしてもらえるか重要だったわけです。
今のサービス業と、そう変わらないと言えます。
江戸時代には、日常で味わえない、サービスを提供し、商売が成立しています。
そのような中で、接客はさらに洗練されて行ったことは当然のことです。
さらには、古くからあった「おもてなし」文化が後押したことも推察できます。
特に、江戸時代には千利休が茶道を復活させ、時の歴史的人物が嗜むものへ昇華させています。
「一期一会」の精神の精神は、接客の世界にも自ずと溶け込んで行ったのではないでしょうか?!
江戸時代と現代では何が違う?!
江戸時代は、現代に続く商売や、接客業の基盤が確立された草創期と言えます。
その頃、活躍した末裔たちが現代にも残る企業を沢山作ったからです。
100年以上続いている企業は、世界で日本が一番多いことをご存知ですか?!
100年前に確立された接客業の精神は、普遍的で完成度が高いと言えます。
それほどまでに、高い完成度を草創期に確立出来たのは、日本人の気質と言えるのではないでしょうか。
早くから、商売やサービス業の本質を見抜いていた、日本人は今新たな局面に来ていると言えます。
それは、ITの登場によって、広く多くの人たちが「接客の本質」の実践を求められるようになったからです。
ネットを利用し、多くの方々が個人でも起業することが容易になりました。
利用者のニーズを満たすと共に、接客で一番大切な「信頼」をいかに得るかということが焦点となっています。
100年以上続く企業の経営者の方々は、「続けていく上で何が一番大切ですか」という問いに対して、ダントツで「信頼」と答えています。
この本質とも言える「信頼」をネット上でどのように獲得して行けばいいのでしょうか?!
それは形は変わっても、「誠意」や「誠実さ」と言えるのではないでしょうか?!
お客様のニーズにしっかり、的確に応えていけば自ずと「信頼」は得られて行きます。
そして、日本三大商人の1つ近江商人の精神が、ITに最も映し出されています。
近江商人の精神とは「三方よし」という精神です。
「三方よし」とは「売り手よし、買い手よし、世間よし」という3つの良しを得るという精神です。
この精神は「アマゾン」が判りやすいです。
アマゾンは、買い手に取ってとても便利で、安い、そして、レビューを付けてもらうことによって世間からの評価も得られるようになっています。
このようなシステムを、日本が先駆けて作って欲しかったと思いませんか?!
日本は、新しいものに対してとても保守的なので、出遅れることは過去にも沢山あります。
これは、世界に見習うべきところですね。
接遇の語源に思うこと
接遇の語源を考えた時に、日本にはその精神が遠い昔からあると推察できます。
日本には「礼節」というものが存在するからです。
世界的には、接遇は「ホスピタリティ」と言われています。
これは、ある程度レベルの高いレストランや、ホテルに存在するサービスになります。
世界を、旅したことがある方ならご存知だと思いますが「サービスは買うもの」です。
それなりのサービスを受けようと思えば、それなりの対価を求められます。
しかし、日本ではとても質の高いサービスをどこでも提供しております。
例えば、ローカル電車で、車椅子の方などが乗車していると、降りる駅で駅員さんがサポートしているのを見かけます。
このような対応は、海外ではまず見かけることはできません。
このような違いは、どこから来るのでしょうか?!
それは「奉仕精神」が全く違います。
とにかく日本人は、尽くすということと、相手の喜びを自分の喜びとして感じる民族です。
相手に「良かった」という満足を得ていただくために、惜しみなく労力を尽くすのが日本人の特徴です。
今後、さらに接遇の世界も変化をして行くことは間違いないことです。
しかし、その本質を知れば、どのように形を変えて行けばいいのか見えてきます。
変わらないものの為に、変化を恐れないことも大切になってきますね。
このITの波は、抑えることはできません。
これからの、接遇の在り方を注視して行きたいと思います。
まとめ
接遇は、その時代に合わせて変化をしてきました。
今まさに、変化の真っ只中にあるのではないでしょうか?!
「賢者は歴史に学ぶ」と言いますが、今存在する接遇は先人達の知恵が詰まっています。
よく、接遇を実践するにあたり、「理由」を求める人がおります。
接遇はコミニケーションスキルの一つになるので、一つひとつ納得しないと実践できないとなると、血の通った接遇を実践するのは困難です。
接遇は、正しい答えを導き出すよりも、その時に相手に「好印象を残す」ということが一番重要だからです。
いわば、感情に向き合う必要があります。
おそらく、感情に向き合うということは、遠い昔から変わらないはずです。
そして、これからも変わらないはずです。
接遇の語源を知ろうとされ、こちらに辿り着いた方は、おそらく接遇のルーツを知り、より理解を深めようとされたのではないでしょうか?!
接遇が遠い昔から存在し、今もなお存在し続けているということは、普遍的なものが存在しているからと言えます。
接遇をより洗練させて行きたい、そう願っています。
良かったら次の記事も参考にして下さい。
▷▶︎▷【接遇関連名言】賢者は歴史に学ぶ「その言葉は生きている」
▷▶︎▷接遇とホスピタリティーは日本発祥と海外発祥の違いがある
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