医療現場で接遇教育を末端まで伝える為にやることはこれ!
やらなくても済むけどやった方がいい接遇
日常においてやった方がいいけどやらなくても済んでしまうものってたくさんあります。
例えば掃除や整理整頓など忙しいとつい後回しになってしまいませんか?
大きい例えで言えばかつて日本はゴミをそこら中に「ポイ捨て」していたのをご存知でしょうか?!
今では世界の人の日本のイメージはとても「きれい好き」というのがありますね。
ところがそう遠くない昔の日本はゴミだらけでとても汚かった時代があります。
1964年の東京オリンピックを機にそれは一変したとのことです。
世界からお客様が来るということで国を上げて日本をきれいにする運動が起きました。
そして国民が一丸となって見違えようなきれいな日本が出来上がったという歴史があるそうです。
日本がきれいになったお陰で世界の観光地にもなりました。
そこで起こる経済効果は計り知れません。
きれいになると次のような効果が期待できます。
・お客様をいつでも呼べる。
・自然環境にも配慮が出来る。
・病気が減る。
・精神衛生的にもいい。
・イメージアップになる。
・経済効果がある。等々
これは「やらなくても済むけどやった方がいい」ことの典型的な例だといえるでしょう。
接遇に関しても同じことが言えます。
やらなくても済みますがやった方が断然いいと思いませんか。
接遇を高めることで次のような期待が出来ます。
・クレームが減る
・リピーターが増える。
・ファンが増える。
・口コミで広がる。
・評価が高くなる。
・イメージアップになる。
・経済効果が期待できる。等々
そこにかける費用対効果も出やすく価値があるものといえるでしょう。
それではどのような事から着手したらいいのでしょうか?!
接遇プロジェクトチームを結成しよう!
先ほどオリンビックの例をあげましたが全体の雰囲気がとても大切です。
接遇の向上は組織の一大プロジェクトといえるでしょう。
一部の人たちが頑張って高められるものでもありません。
かつてオリンビックの時に国策として取り組んだクリーン作戦は
国民が一丸となり成し遂げられたものですね。
なので組織の中でも意識の統一をはかることが大切だと思います。
きっかけがあればそれを最大限に利用するのはいかがでしょうか?
例えば日本でオリンピックが行われる。これもきっかけの一つと言えるでしょう。
医院などでは例えば新規オープンするのは最大のきっかけだと思います。
またリニューアルオープンなどもいいきっかけとなるでしょう。
その時にこそ「接遇プロジェクトチーム」を結成するのはとても有効なことだと感じます。
なぜなら接遇は「後回し」にされやすいからです。
なので最初から導入するのと後からの導入ではその労力や浸透力が違うと感じます。
接遇プロジェクトチームを作る時に接遇が得意なスタッフがいればとてもラッキーです。
突出して接遇が得意という方がいらっしゃらない場合は接遇に対して意識の高い人たちを集めるといいです。
ここで注意して頂きたいのは医師たちがあまり協力的ではないことがあります。
どういうことかというと接遇は医師にとっては必要ないというお考えがあるということです。
「自分は医師業に専念するから事務職さんたちでぜひ頑張ってほしい」という感じですね。
私の行うセミナーでは基本的に医師の皆さんにもご参加いただいてます。
接遇プロジェクトチームでやることは接遇を学ぼうということから始めるといいと思います。
意識を持ってもらい研鑽をしていくのがとても大切です。
具体的な実践テーマを決める
プロジェクトチームが出来ましたら次は組織全体での実践テーマを決めて取り組むようにしましょう。
具体的な実践テーマは「あいさつは自分から」「プラスワンフレーズ」「笑顔」
この3つを取り組んでみてください。
「あいさつは自分から」について
挨拶はされてからするのではなく「先手必勝」と覚えておいてください。
ただ挨拶をしようというのではなくあくまでも「先手必勝」というところにこだわってください。
これが「あいさつは自分から」ということになります。
目上であっても先輩であってもとにかく率先して「挨拶」を自分からしていくことが大切だと思います。
プラスワンフレーズについて
その人に合ったワンフレーズを付け加えることを意識してみて下さい。
患者さんをお見送りする時に「お大事に」と声をかけたりされると思います。
この時に「雨なのでお気をつけください」とか「暑いので水分補強はこまめにして下さいね」
といったように何か時節にあったことなどワンフレーズを付け加えるとぐっと親近感がわきます。
笑顔について
笑顔はあえて誤解を招くような表現をしますが「鎧」だと思ってください。
「笑顔は心の中を隠す為にもある」と心得て下さい。
医院などでは何かとストレスがかかる場所でもあります。
嫌なことがあった時ほど笑顔でいるクセをつけられたら最高です。
あえて笑顔でいることで脳も今幸せを感じてるんだと錯覚してくれます。
そしてなによりも相手に好印象を与えます。
自分のためにも相手の為にも笑顔でいてください。
「笑顔、笑顔」と接遇では共通的に言われますがそれだけ「笑顔」に意味があります。
これは本当に実体験として体験して頂きたいと思います。
また歯科医院や病院という場所はイメージ的にこわいいやなところ。
という印象があります。その時に「笑顔」で接していくとどうでしょうか?
ネガティブなイメージも和らぎ緊張もほぐれます。
なのでぜひ「笑顔」は実践してされるといいです。
接遇は高尚なものでもないと思います。
人と人とを円滑にするための潤滑油だと思います。
エンジンにとってエンジンオイルはあまり存在感は感じません。
でもエンジンオイルがなければたちどころにエンジンは停止してしまいます。
そして焼きついたエンジンは修理も大変になります。
エンジンにとって潤滑油はとても重要な役割を果たします。
人とのつながりの中で接遇もまた必要不可欠だと感じます。
言葉使いやマナーといったことも大切です。
しかしその前に上記の3つのことが出来れば多少のマナーの不足や言葉使いなどはカバーできます。
接遇の本質を理解し実践してみてはいかがでしょうか?!
接遇を始めるのはタイミングが大切
長年続いいる医院だとついつい日々の業務に追われ接遇は後回しになりがちです。
なので接遇は始めるタイミングがとても大切です。
タイミングは何かの節目がいいと思います。
もちろん思い立ったら導入するという行動力のある方もいらっしゃいます。
これはとてもいいことだと思います。
しかしながらなかなか導入しずらいものでもあります。
なのでいいタイミングで導入出来たらと思います。
例えば
・新規オープンの時
・リニューアルオープンの時
・年度変わり
・新人スタッフ導入の時
等々
このようなタイミングはとてもいいと思います。
周りにも納得してもらいやすいので何かの節目がある時にぜひ導入をご見当してみてはいかがでしょうか?!
接遇のプロを導入し負のスパイラルを避ける
プロを入れるという手段も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
医師から話を伺うと接遇などについてはスタッフに対して「言いにくい」
ということをよく伺います。
「言いにくい」という思いにはこういう気持ちがあるのではないでしょうか?
「自分も出来ていないから」「自分はその専門ではないから」
「注意をした後の相手の反応が不安」等々。
これらの気持ちはなぜおこるのか私なりに考えると
「適切により具体的に指導できないのでは」ということを感じます。
的確にご説ごもっともに指摘されれば人は「なるほどそうだよな」という気持ちに収まってくれます。
これがないと反発心が出てきたりするように感じます。
そして適切でない具体的でない指導を繰り返していくと「また始まった」
という気持ちにさせてしまいます。
これは負のスパイラルの始まりになるのでプロを導入するという選択も考えてみてはと思います。
さらには接遇に対して「毎日言ってることなのよね」ということも聞きます。
そうなんですみんな知ってて出来ないのが接遇の難しさでもあります。
どうすれば現場で実践してくれるようになるのか私なりの感じてることがあります。
それは「仕事に対するやりがい」と「プロ意識」です。
これが欠如していると形だけの接遇は出来ると思います。
しかし患者さんに伝わる接遇にはなりづらいと思います。
具体的には
・自分はこの仕事で役に立っている
・患者さんのために少しでも役に立とう
・患者さんの喜んだ姿を見たい
・自分はこの仕事でお手当を頂いているだ
等々
というような思いがスタッフにあるのかが大切です。
「衣食足りて礼節を知る」というように接遇は物事の頂点にあるものだと思います。
ここに意識をもってもらうには足りるを知りさらに次の段階と心得てはいかがでしょうか?!